国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均給与は433万円とされています。平均の倍以上の稼ぎがある人は、どんな暮らしをしているのか気になりますよね。今回は年収1000万円以上にスポットライトを当てて検証していきます。
「額面年収1000万円」だと手取りはいくらになる?
私たちが受け取る給与からは社会保険料や税金が引かれています。つまり、額面給与と手取りには差があるのです。 とくに初任給ではその差に驚いた経験がある方もいるのではないでしょうか。 社会保険料とは、厚生年金・健康保険料・雇用保険料などをさします。そして税金は所得税や住民税です。 どちらも給与に連動して高くなるため、年収が高くなるほどこれらの負担も原則大きくなる仕組みとなります。 社会保険料や税金の金額は、働き方や家族構成などにより変わるため一概にはいえませんが、年収1000万円ともなれば相応の負担になります。 独身で年収1000万円の方場合、手取り給与はざっくりと720万円程度の計算になるでしょう。
年収1000万円以上世帯「貯蓄」はどのくらい?
ここからは金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」から、世帯年収1000万円の世帯の貯蓄事情を見ていきます。 年収1000~1200万円未満の貯蓄割合は、平均が2386万円、中央値が1500万円でした。貯蓄額の金額分布も確認しましょう。
・金融資産非保有:4.0%
・100万円未満:2.0%
・100~200万円未満:5.0%
・200~300万円未満:3.0%
・300~400万円未満:2.0%
・400~500万円未満:4.0%
・500~700万円未満:7.0%
・700~1000万円未満:10.0%
・1000~1500万円未満:11.0%
・1500~2000万円未満:11.0%
・2000~3000万円未満:12.0%
・3000万円以上:28.0%
・無回答:1.0%
年収1000万円の世帯では、6割超の世帯で貯蓄も1000万円を超えていることがわかります。 ただし、年収が1000万円あってもなかなか貯蓄ができないと悩む家庭も少なくありません。 児童手当など、所得制限のある制度が対象外になってしまうことが多いためです。 貯蓄があっても自己負担も多いため、自身で貯められるお金・出ていくお金の管理をしっかりしなければいけないのです。
そこで、視点を世帯年収にうつしてみましょう。 厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」※では、世帯年収1000万円以上の家庭は12.1%となっています。 お互いに年収500万円の夫婦や、年収600万円と400万円の夫婦などを想定すれば、世帯年収1000万円のハードルはぐっと下がりますよね。 個人で年収1000万円の人より税負担割合が小さく、受けられる公的保障も多くなる可能性があります。 こうした背景から、「家族の暮らし」としてはむしろ効率的だといえるかもしれません。
今回は年収1000万円以上世帯の貯蓄額、世帯年収について眺めてきました。 年収1000万円は狭き門で、到達したとしても意外と大変なこともわかりました。 そこで、年収の高さを問わず、大きな資産を築くためには、まずは「お金にも働いてもらう」という考え方を取り入れてみてはいかがでしょうか? 将来の老後資金などに備えるには、早い段階からコツコツ「お金にも働いてもらう」ことが大切です。 資産運用も含め、まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。