2024年10月1日、多くの銀行が変動型の住宅ローンで、店頭金利(基準金利)を見直しました。
これは、各行による短期プライムレート(短プラ)引き上げに対応した動きです。もっと言えば、日銀による政策金利の追加利上げなど、一連の流れを受けてのことといえます。
三菱UFJ銀行などからは事前に発表されていた、今回の変動金利の基準金利見直し。住宅ローンの「定価」にあたる店頭金利は短プラに連動していて、メガバンク各行のそれは現在「年1.625%」となっています。過去15年ほぼ変化がなかった9月までの短プラ(年1.475%)と比較して、0.15%アップした状況です。
今回の店頭金利の見直しによって、住宅ローンの変動金利が上昇傾向に入ったのは間違いないかと思われます。米国経済や為替、あるいは新政権と日銀の動向次第で、遅かれ早かれさらなる利上げが行なわれるのも必至でしょう。
では、住宅ローンにどのような影響があるのか見てみましょう。
実際には変動金利で金利が上昇したとしても「5年ルール」が適用され、5年間は月々の返済額が変わらないようになっています。
さらに「125%ルール」により、たとえ金利が急激に上昇したとしても、月々の返済額は前回の返済額の125%(1.25倍)を超えることはありません。これにより、契約者は金利変動の影響が緩和され、急な返済負担の増加を防げるようになっています。
ただし、実際には返済を先送りしているに過ぎず、最終的な返済総額が増加してしまうことは理解しておくべきです。
5年ルール: 5年間は金利の上昇によって返済額が増加しないルール。ただし、5年以内に金利が上昇していた場合、6年目からは返済額が変わる。125%が上限。
125%ルール: 5年後の金利見直し時に、返済額を最大125%までに抑制するルール。