世界のビッグマック価格ランキング
順位 | 名称 | 価格(円) | 価格(USドル) | 価格(各国通貨) | BMI(%) | 地域 |
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1位 | スイス | 1,098 | 7.73 | 6.7(スイス・フラン) | 38.51 | ヨーロッパ |
2位 | ノルェー | 983 | 6.92 | 70(ノルウェー・クローネ) | 24 | ヨーロッパ |
3位 | ウルグアイ | 974 | 6.86 | 259(ウルグアイ・ペソ) | 22.91 | 中南米 |
4位 | アルゼンチン | 852 | 5.99 | 1,650.00(アルゼンチン・ペソ) | 7.42 | 中南米 |
5位 | ユーロ圏 | 827 | 5.82 | 5.28(ユーロ) | 4.33 | ヨーロッパ |
6位 | スウェーデン | 815 | 5.74 | 60.27(スウェーデン・クローナ) | 2.79 | ヨーロッパ |
7位 | デンマーク | 803 | 5.65 | 38.2(デンマーク・クローネ) | 1.28 | ヨーロッパ |
8位 | アメリカ | 793 | 5.58 | 5.58(USドル) | 0 | 北米 |
9位 | スリランカ | 790 | 5.56 | 1,820.00(スリランカ・ルピー) | -0.41 | アジア |
10位 | コスタリカ | 769 | 5.41 | 2,950.00(コスタリカ・コロン) | -2.97 | 中南米 |
11位 | イギリス | 766 | 5.39 | 4.19(イギリス・ポンド) | -3.39 | ヨーロッパ |
12位 | カナダ | 761 | 5.36 | 7.05(カナダ・ドル) | -4.01 | 北米 |
13位 | メキシコ | 757 | 5.33 | 89(メキシコ・ペソ) | -4.51 | 中南米 |
14位 | サウジアラビア | 720 | 5.06 | 19(サウジアラビア・リヤル) | -9.24 | 中東 |
15位 | ニュージーランド | 716 | 5.04 | 8.1(ニュージーランド・ドル) | -9.66 | オセアニア |
16位 | レバノン | 715 | 5.03 | 430,000.00(レバノン・ポンド) | -9.87 | 中東 |
17位 | オーストラリア | 713 | 5.02 | 7.45(オーストラリア・ドル) | -10.03 | オセアニア |
18位 | ポーランド | 708 | 4.98 | 19.9(ズウォティ) | -10.72 | ヨーロッパ |
19位 | アラブ首長国連邦 | 696 | 4.9 | 18(UAEディルハム) | -12.18 | 中東 |
20位 | コロンビア | 692 | 4.87 | 18,900.00(コロンビア・ペソ) | -12.77 | 中南米 |
歴史的な物価高が世界を覆っています。ロシアが22年2月にウクライナに侵攻してから原油などの資源高に拍車がかかり、各国・地域でインフレが加速しました。世界のサプライチェーンの分断が構造的な供給制約となり、エネルギーや食料などの価格が上がりました。
経済協力開発機構(OECD)は23年6月、加盟38カ国の23年の物価上昇率が6.6%になるとの見通しを示しました。22年の9.4%に比べれば下がりますが、21年の3.8%をはるかに上回る水準です。
米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)など各国・地域の中央銀行が相次ぎ、利上げや金融緩和の縮小に動きました。一方で日銀は物価や賃金の動向を慎重に見極める必要があると見ており、基本的には大規模な金融緩和を続ける姿勢を崩していません。
この金融政策の違いは、日本の好ましい形とはいえない物価上昇を増幅する可能性があります。米国との金利差を背景に円安が進めば、海外から資源や食料などを買うのに余計にお金がかかるようになるためです。
日銀の判断の背景には、日本の物価高が米欧に遅れる形だったことがあります。ただ23年6月の消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を含む全体の指数が3.3%のプラスとなり、3.0%の米国を追い抜きました。日米が逆転するのはおよそ8年ぶりです。変動の大きい生鮮食品を除く総合指数も日本は7月に3.1%上昇し、日銀の物価目標である2%を上回る状況が続いています。
問題となるのは物価上昇の中身です。政府・日銀は旺盛な需要が物価を引き上げる流れを期待してきました。企業の儲(もう)けが増えて賃金が上がり、消費が活発になることで物価が持続的に高まる、そんな好循環を描いていました。ただ実際には、日本経済は設備や労働力から考えられる潜在的な供給力に対し、実際の需要が足りない状態が続いています。足元の物価高は需要がけん引する形にはなっていません。
政府はデフレ脱却を判断するのに4つの指標を挙げています。
(1)消費者物価指数
(2)企業間の取引や貿易も含めた総合的な物価の動きを示す「GDP(国内総生産)デフレーター」
(3)日本経済全体の需要と供給のバランスを示す「需給ギャップ」
(4)賃金の動向を映す「単位労働コスト」
消費者物価指数は目標の2%を超えていますが、需給ギャップは水準に届いていません。
この2年ほどで大きく変化したのは企業の値上げへの姿勢です。生鮮食品を除く物価上昇率は22年度に3%になりましたが、3%を超えたのは第2次石油危機のあった1981年度(4.0%)以来、41年ぶりです。
バブル崩壊後、長くデフレが続いたことで日本の企業や消費者にはその体質が染みついています。「値上げをすると顧客が離れるかもしれない」、そんな思いから企業が値上げをためらう状況が続いてきました。
しかし、海外から輸入する原材料の高騰をきっかけに食品などへの価格転嫁が相次ぎ、日本でも「適切な値上げは顧客の一定の理解が得られる」と考える経営者も増えています。消費者のなかにもコロナ禍の供給制約やウクライナ危機を受けた海外のインフレを見て日本でも物価が上がると思う人が増えています。
まだ政府はデフレ脱却を宣言していませんが、世界的なインフレが日本にも変化をもたらしつつありますし、企業の賃上げも広がっています。この動きが継続すれば、政府や日銀が目指している物価と賃金が安定的に伸びる「好循環」に近づくことになります。