都内マンションにお住いの地方出身者(東京・千葉・神奈川・埼玉を除く43道府県出身者)に対して、アンケート調査を実施した。
地方出身者は、東京でのマンション探しに苦労することも少なくない。住み慣れた街を離れた都心で、何を重視して物件を探すのだろうか?
自宅から最寄り駅までの時間は、徒歩何分までが許容範囲ですか?
全体では「徒歩10分以内」が39.9%と断トツで多く、次いで「徒歩5分以内」が19.0%、「徒歩8分以内」が18.6%とほぼ同率で続く。地方出身者の83.7%が自宅から最寄り駅まで徒歩10分以内を許容範囲としているようだ。各地域の違いはあるものの、多くの人が利便性を重視していることがわかる。
自宅から職場までの通勤時間は、どれくらいが許容範囲ですか?
全体では「30分以内」が34.0%と1番多く、次いで「1時間以内」が25.2%、「45分以内」が19.9%と続く。ほとんどの人が通勤時間を30分から1時間以内に設定していることがわかる。
出身エリア別の傾向を見てみると、通勤時間の許容範囲が短めの人の出身エリアは北海道、東北、中国・四国地方。
北海道出身者は10分~30分以内を希望する人が64.7%と比較的多い反面、「1時間以内」の割合も29.4%と、他のエリアと比較すると高い傾向がある。「特に気にしていない」が5.9%と全体の2.6%より高い割合であり、通勤時間に対して柔軟性を持つ人が一部存在することが分かる。
東北地方の出身者は、12.5%が「10分以内」、18.8%が「20分以内」を希望しており、他のエリアに比べて短い通勤時間を希望する傾向が強い。
中国・四国地方では「30分以内」を許容範囲とする人が55.0%と全エリアの中で最も多く、75.0%が10~30分以内で通勤したいと回答している。
一方、通勤時間に許せる時間が長い出身エリアは北関東、中部、近畿、九州・沖縄地方。
北関東や近畿地方の出身者は「10分以内」「20分以内」の回答を合わせて1割に満たず、多くの人が通勤時間を30分以上で見ているようだ。
中部地方でも通勤時間を短くしたい人は一定数いたが、「45分以内」が25.8%、「1時間以内」が22.5%と許容範囲が広めの人も多くみられる。
九州・沖縄地方出身者は「45分以内」「1時間以内」「1時間半以内」「特に気にしていない」を足した割合が64.0%と最も高く、長めの通勤時間でもいいと考えている人が多いようだ。
東京において単身で住替えする場合(広さは同じ場合)、住みたいエリアを教えてください。(択一)
地方出身者が東京で住みたいエリア1位は「渋谷・恵比寿・代官山エリア」(16.3%)。次いで、「目黒・白金・五反田エリア」、「浜松町・田町・品川エリア」、「四ツ谷・市ヶ谷・飯田橋エリア」(8.2%)が同率で並ぶ。JR山手線内南側のエリアが人気なようだ。
これらのエリアが地方出身者に人気を集める理由は、都心でありながらもそれぞれのエリアが個性を持っていることが挙げられるだろう。
マンションを借りる時、あなたが立地について優先する項目を3つまでお選びください。
「コンビニ・スーパーの近さ」が26.4%と最も多く、次いで「治安の良さ」が24.2%、「周辺の静けさ」10.7%だった。
地方出身者は、買い物の利便性はもちろん、治安を重視してマンション選びをする人が多いようだ。また、静かな環境に慣れ親しんでいる地方出身者は、都市部でも静かな立地を求める傾向がある。
他にも、「災害リスクの低さ」を選ぶ人が8.6%いることも注目すべきだろう。災害リスクの低い立地は安心して暮らすために欠かせない条件といえる。